電気工事士の技能試験で使えない工具は、電動工具・改造した工具・自作した工具です(令和8年度の受験案内)。電動工具以外の工具はすべて使えますが、電気技術者試験センターはカッターナイフの使用を自粛するよう求めています。

電気工事士の試験で持ち込んではいけない工具って、具体的に何があるんですか?

令和8年度の受験案内では、電動工具(充電式を含む)、改造した工具、自作した工具が使えません。電動工具は電動機能をOFFにしても使えず、試験中に使うと不正行為で失格になります。
📌 この記事のポイント
● 技能試験で使えないもの(令和8年度の案内): 電動工具(充電式を含む)・改造した工具・自作した工具・回路計(テスター)などの計測機器
● 電動工具以外のすべての工具が使える。指定工具はペンチ、ドライバー(プラス・マイナス)、電工ナイフ、スケール、ウォーターポンププライヤー、リングスリーブ用圧着工具の6点
● 圧着工具は JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品(握りが黄色)。圧着マークが刻印されないと欠陥になる
● カッターナイフは禁止ではないが、けがをする人が増えているため使用の自粛が求められている
電気工事士が使用禁止の工具の基本と試験での注意点


試験のルールは、年度ごとの受験案内で決まります。ここでは、電気技術者試験センターの令和8年度上期の受験案内と、令和8年3月の資料「技能試験の概要と注意すべきポイント」で確認した内容を紹介します。
使ってはいけない工具は?

技能試験で使ってはいけない工具は、電動工具(充電式を含む)、改造した工具、自作した工具の3つです。令和8年度第二種電気工事士上期試験の受験案内は、これらに加えて、回路計(テスター)などの計測機器も使用できないとしています。
| 使えないもの | 電気技術者試験センターの説明 |
|---|---|
| 電動工具(充電式を含む) | 電動機能をOFFにして使う場合も使用できない。例: 小型充電式電動ドライバ、家庭用電気ドライバ、ペン型インパクトドライバ、インパクトドライバ |
| 改造した工具 | 持ち手を延伸する、工具に書き込みをしているなど。改造の大小に関わらず使用できない |
| 自作した工具 | 使用できない |
| 回路計(テスター)などの計測機器 | 使用できない |
試験中に電動工具を使うと、不正行為として失格になります。工具は自分で用意する決まりで、試験中の貸し借りもできません。
以前の本記事にあった「絶縁性能がJIS基準を満たさない工具は使用禁止」「1000Vの耐電圧が要件」という説明は、試験センターの資料では確認できなかったため削除しました。
電気工事士試験でカッターナイフは自粛すべき?

カッターナイフは禁止されていませんが、試験センターは使用の自粛を求めています。令和8年3月の資料には、カッターナイフでけがをして、手当てのために退出する受験者が増えているため、使用を自粛してくださいと書かれています。
出血してその場で止血できないときは、手当てを優先するため、作業を終了して退出することになる場合があります。被覆のはぎ取りは、指定工具の電工ナイフか、ストリッパなどの専用の工具で練習しておいてください。
工具セットに含めてはいけないもの

工具セットに入れてはいけないのは、電動ドライバーなどの電動工具と、目盛りを書き込むなど手を加えた工具です。試験センターのよくあるご質問は、工具を使いやすいように改造している場合について「改造の大小に関わらず、改造後の工具は使用できません」と回答しています。
● 充電式・電動の工具が混ざっていないか
● 圧着工具やペンチに、目盛りの書き込みや持ち手の延長加工をしていないか
● テスターなどの計測器を入れていないか
● リングスリーブなどを入れる小箱を持ち込んでいないか(材料持ち込みの疑いを防ぐため使用できない)
他の受験者から工具を借りることは禁止されているので、必要な工具は自分の分をそろえてください。
試験で使用可能な工具の基準

基準は「電動工具以外のすべての工具を使用することができる」です。受験案内は、作業に最低限必要と考えられる「指定工具」6点を持参するよう求めています。
| 指定工具(令和8年度第二種電気工事士上期試験の受験案内) |
|---|
| ペンチ |
| ドライバー(プラス・マイナス) |
| 電工ナイフ |
| スケール |
| ウォーターポンププライヤー |
| リングスリーブ用圧着工具(JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品) |
持参する工具の数に制限はなく、手袋や、工具を入れるための腰ベルトも使えます。指定工具の中でJIS規格の指定があるのは圧着工具だけで、「JISマーク付きの絶縁工具でなければ使えない」という決まりは受験案内にありません。
圧着工具の選び方と使用制限

リングスリーブ用圧着工具は、JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品を使います。受験案内によると、この規格の工具(握りの部分の色が黄色のもの)で圧着すると、リングスリーブに「〇・小・中・大」の圧着マークが刻印されます。
| 欠陥と判断される例(令和8年3月の資料・受験案内) |
|---|
| 圧着マークが刻印されない圧着工具で圧着した(1982年より以前のJIS規格の工具を含む) |
| 使い古した工具を使ったため、刻印が明確に見えない |
| 圧着端子用の工具を使ったため、刻印が数字になった |
| リングスリーブの選択を誤った、圧着マークが不適正 |
持ち手を延伸するよう加工した圧着工具は「改造した工具」の例に挙げられており、使えません。
工具メーカーによる基準の違い

受験案内に特定のメーカーや商品の指定はなく、基準は「電動工具でないこと」「改造・自作でないこと」「工具として一般に販売されているものであること」「圧着工具がJIS C 9711適合品であること」です。メーカーが違っても、この条件を満たしていれば使えます。
メーカーの違いを調べるより、手持ちの圧着工具で「〇・小・中・大」の刻印がはっきり出るかを練習で確かめてください。以前の本記事にあった「試験センター公認の工具セット」という説明は、公式の資料で確認できなかったため削除しました。
電気工事士が使用禁止の工具と正しい工具選びのポイント


ここからは、第二種の受験者が工具をそろえるときの注意と、現場で法令上求められる器具について、確認できた範囲で説明します。
電気工事士2種で使えない工具とは?

第二種で使えない工具は、電動工具・改造した工具・自作した工具です。令和8年度第二種電気工事士上期試験の受験案内に、回路計(テスター)等の計測機器、電動工具(電動ドライバー等)、改造した工具(工具の持ち手を延伸する等)、自作した工具は使用できないと書かれています。
● 電動ドライバーなどの電動工具(電動機能を切っていても使えない)
● 持ち手を延ばした工具、書き込みをした工具
● 自作した工具
● テスターなどの計測機器、配付されたもの以外の保護板
以前の本記事にあった「厚生労働省や日本電設資材工業協会の安全指針で絶縁工具の使用が義務付けられている」という記載は、出典を確認できなかったため削除しました。
電気工事士2種で使用する工具一覧とおすすめ構成

そろえる工具の中心は、受験案内の指定工具6点です。ペンチ、ドライバー(プラス・マイナス)、電工ナイフ、スケール、ウォーターポンププライヤー、リングスリーブ用圧着工具の6つを用意します。
● 指定工具6点(圧着工具は JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品)
● ストリッパ:被覆のはぎ取りに使う専用の工具(電動でないもの)
● 電線を一時的に束ねるクリップ:使えるが、試験終了までに取り外す
テスターなどの計測器は、試験では使えません。試験センターは、公表される「候補問題」を確認して、作業に必要な工具を自分で用意するよう案内しています。
ホームセンターで買う電気工事士 工具セットの注意点

ホームセンターで買う場合も、確認するのは「電動工具が入っていないか」と「圧着工具がJIS C 9711適合品か」の2点です。圧着工具は、リングスリーブ用で、握りの部分が黄色のものを選びます。
圧着端子用の工具は刻印が数字になり、試験では正しい工具が使用されたと認められません。どの店で買った工具かによる制限は、受験案内にありません。
電気工事 2種、工具を安く揃える際の落とし穴

安くそろえるときの落とし穴は、中古品や使い古した圧着工具です。試験センターの資料は、使い古した工具を使用したために刻印が明確に見えないものを、欠陥と判断するとしています。
1982年より以前のJIS規格の圧着工具も、圧着マークが刻印されなければ欠陥の対象です。価格より先に、刻印がはっきり出るかを確かめてください。
以前の本記事にあった工具セットの価格(1万~1万5千円前後)は、公式の価格を確認できなかったため削除しました。
100均工具は使える?電気工事士の安全基準

受験案内に「100円ショップの工具は使えない」という決まりはなく、電動工具でなく、改造もしていなければ使用できます。ただし、圧着工具だけはJIS C 9711適合品が求められます。
現場の安全基準は別にあります。労働安全衛生規則第346条は、低圧の充電電路を取り扱う作業で感電の危険が生ずるおそれのあるとき、事業者は労働者に絶縁用保護具を着用させ、または活線作業用器具を使用させなければならないと定めています。
以前の本記事にあった「厚生労働省の指針で規格適合工具の使用が義務付け」「1000V耐電圧基準」という説明は、出典を確認できなかったため削除しました。
便利工具とプロが避ける理由

試験で使えない理由がはっきりしている便利工具は、電動のものです。試験センターは、技能試験では電気工事に係る基本的な作業の修得を試験するため、電動工具の使用を認めていないと説明しています。
手動のストリッパは使えますが、エコケーブル(EM-EEF)やVVRケーブルは、VVF用ストリッパでは適切に外装をはぎ取れないことがあるとされています。資料は、これらのケーブルでは電工ナイフを用いるなど、ケーブルの種類に応じた方法で作業するよう求めています。
現場については、電気工事業者は営業所ごとに絶縁抵抗計などの器具を備えなければならないと定められています(電気工事業の業務の適正化に関する法律 第24条)。
まとめ:電気工事士が使用禁止の工具を正しく理解して安全に作業を行うために

電気工事士の技能試験で使用禁止の工具は、電動工具・改造した工具・自作した工具です。電動工具以外は使えますが、圧着工具はJIS C 9711適合品をそろえてください。
● 受験する回の受験案内で「使用できないもの」を確認する
● 指定工具6点を自分で用意する(貸し借りはできない)
● カッターナイフは使用を自粛する
● 圧着マークの刻印がはっきり出るかを練習で確かめる
ルールは年度によって変わることがあるため、受験する回の受験案内を電気技術者試験センターの公式サイトで確認してください。
📝 この記事のまとめ
● 使用禁止の工具(令和8年度の案内)は、電動工具(充電式を含む)・改造した工具・自作した工具。テスターなどの計測機器も使えない
● 電動工具以外はすべて使える。指定工具はペンチ、ドライバー、電工ナイフ、スケール、ウォーターポンププライヤー、リングスリーブ用圧着工具
● 圧着工具は JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品。刻印が出ない・見えないと欠陥になる
● カッターナイフは使用の自粛が求められている。現場の活線作業は、労働安全衛生規則で絶縁用保護具などの使用が定められている

