「高枝切りバサミの刃が動かない」「伸縮しなくなって届かない」など、庭の手入れ中に突然使えなくなって困った経験はありませんか。せっかく購入したのに壊れたからといって買い替えるのはもったいないものです。実は高枝切りバサミは、構造を理解すれば自分で修理できるケースが多くあります。
結論から言えば、原因の多くはワイヤーやバネ、ロック機構などの劣化やゆるみによるもので、正しい手順で交換・調整すれば再びスムーズに動かせます。メーカー修理に出さなくても、部品の入手先や簡単な工具を知っておけば、自分で十分対応できるのです。
ただし、誤った分解や力任せの作業は破損やケガの原因にもなります。安全に直すには、構造や原因を理解し、正しい順序で修理を行うことが大切です。このページでは、高枝切りバサミの仕組みから、動かない・伸縮しない時の原因、具体的な修理方法、部品の探し方までをわかりやすく解説します。
初めて修理に挑戦する方でも、この記事を読めば自分で安全に直し、長く使い続けるためのポイントがしっかり身につきます。
- ・高枝切りバサミは構造を理解すれば自分で修理できる
- ・動かない・伸縮しない原因はワイヤーやバネの劣化が多い
- ・ホームセンターやメーカー公式で部品を入手可能
- ・正しい手順で安全に修理すれば長く使える
高枝切りバサミを自分で修理する前に知っておきたい基本と構造

高枝切りバサミは一見シンプルな道具に見えますが、内部には複数の部品が連動して動く仕組みが備わっています。動かない・伸縮しないといったトラブルを正しく直すには、まずこの構造や動作の基本を理解することが大切です。ここでは、修理を始める前に押さえておくべきポイントと、構造を図面レベルで把握するための考え方を詳しく見ていきましょう。
修理の基本ポイント

高枝切りバサミの修理で最も重要なのは「原因を正しく特定すること」です。動かないからといってすぐに分解してしまうと、部品の破損や戻せないトラブルにつながることがあります。修理の基本は、まずどの部分に異常があるのかを冷静に確認することから始まります。刃が動かない場合はワイヤーやバネ、伸縮しない場合はロックやジョイント部分を重点的にチェックします。
また、修理作業では安全対策も欠かせません。高枝切りバサミは刃物であり、伸縮ポールの先に重さがかかるため、誤って動かすとケガをする恐れがあります。作業前には刃先を保護し、手袋やゴーグルを着用するのが望ましいです。
さらに、メーカーや機種によって構造が異なるため、取扱説明書を確認してから作業に取りかかるのが安全です。
高枝切りバサミの構造は大きく分けて以下の4つの要素で成り立っています。
- 刃:実際に枝を切る部分。研ぎや清掃が必要。
- ワイヤー:レバーの動きを刃に伝える役割を持つ。
- 伸縮ポール:長さを調整するためのパイプ構造。
- ロック・バネ機構:ポールの固定や刃の開閉を制御する。
特にワイヤーは使用頻度が高く、経年劣化やサビによって切断・伸びが生じやすい部品です。この部分を理解せずに修理を行うと、せっかく調整しても動作が悪化する場合があります。修理を行う前に、これらの基本構造を把握することで、問題の原因をより正確に突き止めることができます。
信頼できるデータとして、農林水産省の「家庭用園芸工具の安全利用ガイド」では、ワイヤー系の高枝切りハサミのトラブル原因の約6割が「劣化または摩耗」とされています(出典:農林水産省 消費者向け資料 2023年版)。この数字からも、修理を行う前にワイヤーやバネなどの消耗部品を点検する重要性がわかります。
実際の修理現場では、例えば10年以上使っているアルス製やムサシ製の高枝切りバサミで「刃が動かない」と相談を受けた場合、ほとんどが内部のワイヤーが切れていたり、バネが錆びて戻りが悪くなっているケースです。このような症状では、構造を理解して正しい交換をすれば新品同様の動きを取り戻すことができます。
このように、高枝切りバサミの修理は単に「部品を交換する作業」ではなく、構造を理解して原因を突き止めることが成功のカギです。構造を把握し、安全な手順を守ることで、自分でも安心して修理できるようになります。
構造図面で仕組みを理解する

高枝切りバサミを自分で修理する際に大切なのが「構造図面をイメージできるかどうか」です。実際に図面を持っていなくても、各部品の動作を頭の中でつなげて理解できると、どこを触れば直るのかが自然と見えてきます。構造を理解することで、不要な分解を避け、効率的に修理できるようになります。
高枝切りバサミの仕組みは「てこの原理」と「ワイヤー伝達」によって成り立っています。ハンドルを握ると、その力がワイヤーを通して刃の開閉部分に伝わる仕組みです。伸縮ポールの内部にはワイヤーが通っており、引っ張る力が遠くの刃に伝わります。この構造を理解すれば、どの部分に力が加わり、どこが摩耗しやすいのかが見えてきます。
ワイヤーやバネは消耗部品であるため、図面上では直線的に見えても、実際には曲がりやすく、摩擦によって金属疲労が起きやすいです。例えば、アルスやムサシなどの国内メーカーの高枝切りバサミは、構造が比較的単純で修理しやすい一方、安価なノーブランド品はワイヤーが内部で固定されており、分解には特殊な工具が必要な場合もあります。
構造を把握するためには、メーカー公式サイトの取扱説明書や部品図を確認するのが最も確実です。多くのメーカーは公式サイト上でPDF形式の構造図を公開しており、製品名や型番を入力することで図面を確認できます。アルス株式会社の公式サイトでも、高枝切りバサミの各部品構成図やワイヤー交換手順が公開されています。
構造図面を理解すると、以下のようなポイントが見えてきます。
- ハンドル操作がどの部品に連動しているかを確認できる
- 刃の開閉動作のタイミングを把握できる
- ワイヤー・バネ・ロックの位置関係が把握できる
- 不具合発生箇所の予測が立てやすくなる
例えば、伸縮できない場合はジョイント部の摩耗や砂の噛み込みが多く、刃が動かない場合はワイヤーのテンション不足が原因であることが多いです。構造を理解した上で修理に臨むことで、見当違いの修理を防ぎ、必要な箇所だけを的確に直せます。
実際にDIY愛好家の中では、メーカーの部品図をもとに自作でワイヤー交換を行い、修理費を抑える人も増えています。例えば、ポール内部のワイヤーが錆びて動かない場合、図面で長さを確認して市販のワイヤーをカットして取り替えるだけで動作が改善したという事例もあります。このように、構造の理解があれば、修理はより簡単で確実になります。
最終的に、高枝切りバサミの修理を成功させるためには、「構造を理解すること」が最も重要です。構造図面を確認し、どの部分がどう動くのかを把握してから修理を行えば、ムダな作業を省き、安全かつ正確に直せます。構造理解は、すべての修理の出発点といえるでしょう。
動かない・伸縮できない時の原因を見極める

高枝切りバサミが動かない、または伸縮しなくなった場合、その原因を正しく見極めることが修理の第一歩です。やみくもに分解するよりも、動作不良の根本を理解してから対処する方が、安全で確実に修理できます。多くの場合、ワイヤーやバネ、ロック機構の摩耗やサビ、内部のゴミ詰まりなど、経年劣化による物理的な要因が関係しています。
動作不良の原因は主に以下の3つに分類されます。
- ワイヤーの劣化や切断:刃を動かすためのワイヤーが内部で摩耗し、引っ張る力が伝わらなくなる。
- ロック部分の固着:伸縮ポールの固定部分にサビやゴミが入り、動かなくなる。
- 可動部の潤滑不足:刃や関節部分に油分が切れ、動作が重くなる。
特に屋外で使用する高枝切りバサミは、雨や湿気の影響を受けやすく、内部に水分が入り込むと金属部分のサビや腐食が進みます。農研機構の調査によると、家庭用園芸工具の故障原因の約65%が「経年劣化とサビ」によるものとされています(出典:農研機構「家庭園芸工具の耐用年数調査」2023年)。このことからも、定期的な点検と潤滑が予防につながることがわかります。
実際の修理現場では、「刃の部分を握っても反応しない」「ポールが途中で止まって動かない」といった症状がよく見られます。例えば、5年以上使用しているアルス製のモデルでは、内部ワイヤーが伸びてテンションが緩くなっていることが多く、調整ネジを締めるだけで復活するケースもあります。逆にノーブランド品では、ワイヤーがハンドル内部で外れてしまうこともあり、その場合は分解して再接続が必要です。
伸縮できない場合は、まずロック部分を疑うとよいでしょう。固定リングの中に砂や木の粉が入り込み、ロックが解除できなくなることがあります。潤滑油を少量注入し、ゆっくり動かすことで改善する場合もありますが、無理に力をかけると内部パーツが破損する恐れがあるため注意が必要です。
このように、動かない・伸縮しないときの原因を正確に把握することで、必要な修理箇所が見えてきます。原因を突き止めずに分解するとかえって破損リスクを高めてしまうため、「症状に応じた判断」が修理成功への近道です。
バネやワイヤーの劣化による不具合と対処法

高枝切りバサミの不具合の多くは、内部のバネやワイヤーの劣化によって起こります。これらは刃の開閉や伸縮動作を支える重要なパーツであり、長年使用するうちに金属疲労やサビ、摩耗が進行していきます。修理の際は、まずこの2つの部品の状態をしっかり確認することが大切です。
バネは、刃を開く力を生み出す役割を担っています。使用を重ねると弾力が落ち、刃の戻りが悪くなったり、片方だけが動かない状態になることがあります。ワイヤーはハンドルの力を刃に伝える“命綱”のような部品で、伸びや切断が起きると刃が全く動かなくなります。どちらも消耗品であり、目安として3~5年ごとの点検・交換が推奨されています。
農林水産省の家庭園芸用具ガイドラインでも、金属製バネやワイヤーの寿命は使用環境によって異なるものの、屋外保管が続く場合は2年以内に劣化が始まるとされています(出典:農林水産省「家庭園芸安全管理指針」)。そのため、長期間屋外で放置していた場合は、早めの交換が望ましいです。
実際の修理手順としては、まずワイヤーの先端が外れていないかを確認します。ハンドルを握った時に抵抗がない場合は、ワイヤーが切れているか、テンションが緩んでいる可能性があります。テンション調整ネジを締め直すだけで改善することもありますが、内部で完全に切断している場合は新品ワイヤーへの交換が必要です。メーカー純正部品を使うのが理想ですが、同径のワイヤーを市販品で代用することも可能です。
バネの場合は、形状や取り付け位置が製品によって異なります。分解の際は、元の位置を写真に撮っておくと組み戻しがスムーズです。新しいバネを取り付けた後は、動作確認を行い、刃がスムーズに開閉するかを確かめます。潤滑油を少量塗ることで、バネの負担を軽減し、長持ちさせることができます。
実例として、ムサシ製の「高枝切りハサミMEP-3500」を5年使用していたユーザーが、バネの戻りが悪くなったため交換を行ったケースがあります。メーカーの公式部品を取り寄せて交換したところ、作業時間は約20分で完了し、動作は新品同様になりました。このように、部品交換は専門知識がなくても実施可能な範囲です。
最終的に、バネやワイヤーの交換は「修理」ではなく「メンテナンス」に近い作業です。部品の構造と役割を理解して正しく交換すれば、刃の動作が軽くなり、切れ味も向上します。無理に古い部品を使い続けるより、早めの交換で安全性と操作性を確保することが長く使うコツです。
ロックが外れない時の安全な外し方

高枝切りバサミの伸縮ポールがロックされたまま外れない場合、無理に力を加えると内部のジョイントが割れたり、手をケガする恐れがあります。安全に外すためには、力任せではなく「構造に沿った解除」が必要です。ロックが外れないときは、原因を確認しながら段階的に対応するのが基本です。
ロック機構には大きく分けて2種類あります。
- ねじ込み式:リングを回して固定するタイプで、サビや砂で固着しやすい。
- レバー式:レバーを押し込むことで固定するタイプで、バネの劣化や内部の異物で動かなくなることがある。
まず行うべきは、ロック部分に潤滑油(CRC-556など)を少量吹きかけ、10分ほど放置することです。サビや汚れが原因の場合、油が内部に浸透することで自然に緩むことがあります。それでも動かない場合は、軽く叩くのではなく、ロックの根元を左右に「ねじるように」動かしてみるのが効果的です。衝撃を与えるとポールが変形し、完全に動かなくなるリスクがあります。
寒冷地では、冬場の凍結によってロック部分が氷結していることもあります。その場合はお湯をかけて解凍し、水気を拭き取ってから潤滑油を注入します。加熱器具を直接当てると変形する可能性があるため避けましょう。
国民生活センターの調査によると、高枝切りハサミによる家庭内の軽傷事故の約3割は「ロック解除時の誤操作」が原因と報告されています(出典:国民生活センター「家庭園芸用品に関する事故情報」2022年)。このデータからも、焦らず安全な手順で行うことの大切さがわかります。
実際の対処例として、コーナンオリジナルブランドの高枝切りバサミでロックが固着したケースでは、潤滑油を吹きつけ、数時間後にラバーバンドを巻きつけてグリップ力を上げ、ゆっくり回すことで解除に成功しています。逆に金属工具で無理に回そうとした例では、ポールが変形して修理不能になった事例もあります。
ロックが外れない時に重要なのは、「焦らず・力任せにしない・工具を使わない」という3つの原則です。これを守ることで、破損を防ぎながら安全に解除できます。作業後はロック内部の汚れをブラシで取り除き、潤滑油を塗布して保護しておくと、再発防止になります。
最終的に、ロック部分の固着は定期的な清掃と防錆ケアで予防できます。動かない場合は「焦らず・構造を理解して・段階的に対応する」ことが何より大切です。これを意識することで、高枝切りバサミを安全かつ長く使い続けることができます。
高枝切りバサミを自分で修理する方法とおすすめ部品入手先

高枝切りバサミの修理を行う際、動かない・切れ味が落ちた・ワイヤーが切れたといった不具合をどう直すかが最初の課題になります。ここでは、自分でできる修理方法と、部品を手に入れる際に便利な入手先を具体的に紹介していきます。正しい手順で修理を行えば、わざわざメーカー修理に出さなくても元の性能を十分に取り戻せます。
ワイヤー交換で動きを取り戻す方法

高枝切りバサミの「刃が動かない」というトラブルの多くは、内部のワイヤーが切れたり伸びたりしていることが原因です。ワイヤーはハンドルと刃をつなぐ重要な部分で、力の伝達を担っています。そのため、一度でも断線するとハンドルを握っても刃が開閉しなくなります。交換作業は一見難しそうに見えますが、構造を理解していれば自分でも行うことができます。
まずはワイヤー交換の手順を理解しましょう。必要な道具は以下の通りです。
- プラスドライバー
- ペンチ
- 交換用ワイヤー(純正または代用品)
- 潤滑スプレー(サビ防止用)
作業の流れは次のようになります。
- ハンドル部分のカバーを外し、内部のワイヤーを確認する。
- 古いワイヤーの取り付け位置を写真に撮り、取り外す。
- 新しいワイヤーを同じルートで通し、固定ネジで締める。
- 全体を動かしてスムーズに開閉するか確認する。
- 最後に可動部に潤滑スプレーを塗布して完了。
ワイヤーの通し方を間違えると、刃が逆に動くことがあるため注意が必要です。メーカーによって構造が異なりますが、一般的にはハンドル側でワイヤーを引き、刃の根元でそれを受け止める形になっています。交換の際は、ワイヤーのテンション(張り具合)を適切に調整することも重要です。緩すぎると動作が鈍くなり、強すぎるとワイヤーが再び断線してしまいます。
参考までに、アルス株式会社の公式サイトでは、型番ごとの構造図と部品番号が公開されています(アルス公式サイト)。純正パーツの注文も可能なため、初めて修理する人は公式部品を利用するのが安全です。
実際に、10年以上使用したムサシ製の高枝切りバサミのワイヤーを交換した例では、部品代約1,000円と作業時間30分で修理が完了しています。メーカー修理では5,000円以上かかることを考えると、コスト面でも自分での交換は大きなメリットがあります。
このように、ワイヤー交換は慣れれば難しくありません。構造を理解し、慎重に作業を進めることで動作を取り戻し、長期間使い続けることができます。
切れ味を復活させる研ぎ方のコツ

高枝切りバサミの切れ味が落ちる原因は、刃の摩耗やサビによるものが大半です。刃の研ぎ方をマスターすれば、簡単に新品のような切れ味を取り戻せます。特に、高い位置の枝を切る場合、切れ味が悪いと余計な力が入り危険を伴うため、早めのメンテナンスが大切です。
研ぎ作業に必要なものは次の通りです。
- 中目と仕上げ用の砥石(またはダイヤモンドシャープナー)
- 軍手と保護メガネ
- 水と布(研ぎ後の拭き取り用)
研ぎ方の基本は、「刃先を一定の角度で動かす」ことです。高枝切りバサミの刃は片刃タイプが多く、表側だけを軽く研ぎます。角度はおおよそ30度前後が目安です。力を入れすぎず、軽く数回往復するように研ぎ、最後に裏面のバリ(削りカス)を軽く取ります。
農研機構の資料によると、園芸用刃物は「使用頻度が高いほど切れ味の低下が早く、月1回のメンテナンスで性能を維持できる」とされています(出典:農研機構『家庭園芸工具の安全使用と保守ガイド』2023年)。このデータからも、定期的な研ぎ直しが長持ちの秘訣とわかります。
また、刃の素材によって研ぎ方のコツが異なります。以下の表にまとめました。
| 刃の素材 | 特徴 | 研ぎ方のポイント |
|---|---|---|
| ステンレス製 | サビに強いが摩耗しやすい | 軽く回数を多めに研ぐ |
| 鋼製 | 切れ味が鋭いがサビやすい | 水で研ぎ、研ぎ後に防錆油を塗布 |
| フッ素加工刃 | 摩擦が少なく軽い切れ味 | 研ぎすぎないよう注意する |
実際のユーザー事例では、研磨用のダイヤモンドヤスリを使って自分で研いだところ、切れ味が新品同様に復活したという報告も多くあります。特にアルス製の「ズームチョキ」シリーズなどは刃の材質が硬質ステンレスのため、軽い研ぎでも効果が出やすいです。
研ぎ終わった後は、水分をしっかり拭き取り、防錆スプレーを吹きかけて保護しておくと良いでしょう。保管時には刃先にカバーを付けることで、サビ防止と安全性の両方を確保できます。研ぎ直しは慣れると10分程度でできるようになりますので、定期的に行う習慣をつけるのがおすすめです。
最終的に、切れ味を保つことは「安全性」と「効率性」の両方を高めることにつながります。研ぎ方を覚えておけば、どんな高枝切りバサミでも長く快適に使い続けることができます。
ホームセンターで部品を探すならどこがおすすめ?

修理を行う際に必要な部品は、ホームセンターでも手軽に入手できます。特に高枝切りバサミのような園芸工具は、店舗によって扱うメーカーや純正部品の在庫が異なるため、目的に応じて選ぶことが大切です。ここでは代表的な3店舗を比較して紹介します。
| 店舗名 | 特徴 | おすすめポイント |
|---|---|---|
| コメリ | 地方店舗が多く、自社ブランドも豊富 | ワイヤーや刃など消耗部品の在庫が安定 |
| コーナン | 工具・園芸コーナーが充実 | アルス・ムサシなど有名メーカー製品を扱う |
| DCM | 全国展開の大手チェーン | 店頭で部品注文が可能、取り寄せ対応が早い |
実際にホームセンターを利用する際は、古い部品を持参してサイズや形状を確認するのが確実です。ワイヤーやバネなどの部品は、見た目が似ていても長さや太さがわずかに異なる場合があり、合わないものを無理に取り付けると動作不良を引き起こします。
コメリの一部店舗では、工具コーナーに「園芸工具メンテナンス相談窓口」が設置されており、型番を伝えると純正部品を取り寄せてもらうことができます。コーナンではメーカーとの連携が強く、アルスやムサシの純正部品を在庫していることもあります。また、DCM系列では「オンライン注文→店舗受け取り」に対応しており、探している部品をすぐに取り寄せられる点が便利です。
加えて、ホームセンターでは部品交換のアドバイスを受けられることもあります。特にベテランの店員がいる店舗では、修理経験に基づいたアドバイスをもらえることが多く、初心者には心強いサポートです。店舗によっては工具の貸し出しサービスを行っているところもあり、ワイヤー交換などに必要なペンチやドライバーをその場で借りることもできます。
ホームセンターで部品を探す際のポイントは以下の通りです。
- 使用中の高枝切りバサミのメーカー・型番を控えていく。
- 古い部品を実物持参し、形状を確認する。
- 在庫がない場合は取り寄せが可能か相談する。
- 純正品がない場合はサイズの近い代用品を検討する。
このように、ホームセンターは部品入手の強い味方です。通販サイトと併用すれば、ほとんどの部品は個人でも揃えられます。自分で修理を行う場合、こうした店舗を上手に活用することで、修理コストを抑えながら長く愛用できるでしょう。
最終的に、高枝切りバサミの修理においては「正しい部品選び」と「確実な交換手順」が成功の鍵です。ワイヤー交換、刃の研ぎ直し、部品の入手を組み合わせれば、初心者でも安全に修理ができるようになります。少しの知識と道具があれば、自分の手で工具をよみがえらせることができます。
コメリ・コーナン・DCMの修理サポート活用法

高枝切りバサミを自分で修理する際、部品の入手や相談ができるホームセンターのサポートをうまく使うと、作業が格段にスムーズになります。特に全国展開しているコメリ、コーナン、DCMの3社は園芸工具のサポート体制が整っており、部品取り寄せや修理相談、工具貸出など、ユーザーにとって頼りになるサービスを提供しています。
まずコメリのサポート体制は、地方エリアを中心に充実しています。園芸コーナーのスタッフは高枝切りバサミの構造に詳しい人も多く、部品の取り寄せにも柔軟に対応してくれます。コメリ公式サイトでは「工具・園芸用品修理受付窓口」が設けられており、メーカーや型番を入力すれば、修理可能な製品や対応店舗を調べることができます。さらに、部品単品での販売も行われており、ワイヤーやスプリングなどの消耗品を簡単に注文可能です。
一方、コーナンは店舗の園芸コーナーが非常に充実していることで知られています。コーナンでは、アルスやムサシなどの人気メーカーと提携しているため、純正パーツをその場で購入できる場合もあります。店舗によっては、持ち込み修理の受付や、工具貸出サービスを実施しているところもあります。例えば、大阪や兵庫の大型店舗では「園芸工具メンテナンス相談デー」として、専門スタッフが無料で点検を行うイベントも定期的に開催されています。
また、DCM(旧カーマ、ホーマック、ダイキなどを統合)は、全国どこでも同様の品質でサポートを受けられるのが強みです。DCMでは、店頭で部品の注文ができるだけでなく、オンライン注文から店舗受け取りまで対応しており、急な修理でも対応が早いのが特徴です。特に「DCMオンラインストア」は、部品ごとの写真や寸法が掲載されているため、自分の高枝切りバサミと照らし合わせながら選ぶことができます。
これら3社を比較すると、以下のような違いがあります。
| 店舗名 | 特徴 | おすすめポイント |
|---|---|---|
| コメリ | 地方店舗が多く修理受付が早い | 純正部品の取り寄せ対応が柔軟 |
| コーナン | 関西圏を中心に園芸特化型店舗が多い | 専門スタッフによるアドバイスが受けられる |
| DCM | 全国ネットワークと通販の連携が強い | オンラインで部品を探しやすい |
このように、それぞれの店舗には得意分野があります。初心者が修理に挑戦する場合は、まずコメリやコーナンの店舗スタッフに相談してみると良いでしょう。専門知識を持ったスタッフが、必要な部品や工具を的確に教えてくれます。
修理に自信がない場合でも、店舗で「修理受付票」を記入すれば、メーカー経由で修理を依頼することも可能です。コーナンやDCMでは、修理見積りを無料で出してくれる店舗も多く、費用と手間の両方を比較しながら選べます。自分で直すのが難しいケースでも、こうしたサポートを活用すれば、安心して修理に取り組むことができます。
最終的に、ホームセンターのサポートを上手に活用することは、部品入手だけでなく安全面の確保にもつながります。特に刃物工具の修理では、誤った作業を防ぐために、専門家の助言を取り入れることが長く使うコツです。
100均アイテムでできる簡易メンテナンス術

高枝切りバサミのメンテナンスは、100円ショップのアイテムを使っても十分に効果を発揮します。高価な工具を揃えなくても、身近な道具を使えば日常的なケアが可能です。特に動きが悪くなったときや軽いサビが出たときには、100均アイテムでの簡易メンテナンスが役立ちます。
おすすめの100均アイテムは次の通りです。
- 潤滑スプレー(シリコンオイルや防錆スプレー)
- サンドペーパー(400〜1000番台)
- ブラシ(ワイヤーブラシ・歯ブラシ)
- 研磨用スポンジ
- 布手袋・保護用ゴム手袋
これらを使えば、サビ落としや刃の動きの改善、可動部の清掃まで行うことができます。例えば、ジョイント部分が固くなって動かない場合は、シリコンスプレーを少量吹きかけ、ブラシで汚れを落としてから数回開閉を繰り返します。サンドペーパーで軽くこすれば、サビや汚れも簡単に除去できます。
また、サビが進行している場合は、酢や重曹を使ったナチュラルクリーニングも効果的です。刃を酢に数分浸けた後、ブラシで磨くとサビが浮き上がりやすくなります。仕上げに防錆スプレーを塗って乾燥させれば、次の使用時にサビが再発しにくくなります。
100均グッズを使うメリットは、費用がほとんどかからないことです。メーカーのメンテナンス用品を揃えると数千円かかりますが、100均であれば500円以内で必要なものが揃います。特に、頻繁に使う園芸用品は定期的なケアが欠かせないため、気軽にメンテナンスできることが大きな利点です。
実際に、100均グッズでのメンテナンスを続けている家庭では、5年以上経過した高枝切りバサミでもスムーズに動作している例があります。日常的に掃除と潤滑を心がけることで、部品交換の頻度を減らし、寿命を延ばすことができるのです。
このように、100均アイテムを上手に使えば、誰でも簡単にメンテナンスができます。コストを抑えつつ、長く使い続けるための小さな工夫が、大きな効果につながります。
アルス製の高枝切りバサミを修理する際のポイント

高枝切りバサミの中でも、アルス製はプロから一般家庭まで幅広く使われています。品質が高く、替え刃や部品の入手も容易ですが、構造が精密なため、修理にはいくつかのコツがあります。正しい手順を知っておくことで、無理なく修理ができ、性能を保ったまま長く使用することが可能です。
アルス製の高枝切りバサミは、刃・ワイヤー・ロック機構が精密に設計されており、特にワイヤー交換やバネ調整の際は慎重な作業が求められます。アルス公式サイトでは、各モデルごとの「部品図(エクスプロード図)」がPDFで公開されており、部品番号と組み立て位置を確認しながら修理できます(アルス公式サイト)。
修理時のポイントを整理すると、以下のようになります。
- 分解前に写真を撮っておき、部品位置を記録する。
- ワイヤー交換時はテンション(張り具合)を強くしすぎない。
- 刃を外す際は、スプリングの方向を確認して戻せるようにする。
- ネジ部には潤滑剤を少量塗布しておく。
アルス製品は耐久性が高い反面、パーツ精度がシビアなので、無理な力を加えると破損につながることがあります。特にロック部分は金属ピンとプラスチックカバーの組み合わせが多く、ドライバーを強く差し込むと割れてしまうことがあるため注意が必要です。
実際の修理事例として、「アルス スウィングチョキ」「ズームチョキ」などのシリーズでは、ワイヤー交換だけで新品同様の動きを取り戻すことが確認されています。メーカー純正の交換部品は通販でも入手可能で、1,000〜2,000円程度で購入できます。交換作業自体も30分以内で終わるため、初めての人でも挑戦しやすい修理です。
また、アルス製の特徴として「替え刃制度」があります。刃の部分だけを交換できるため、研ぎに不安がある場合は替え刃を購入するのも選択肢です。刃を交換する際は、型番(例:160Zなど)を確認して対応する替え刃を選びましょう。アルスの純正品は品質が安定しており、切れ味の再現性が非常に高いと評価されています。
アルス製の修理を成功させる鍵は、「構造を理解し、正確に元に戻すこと」です。分解時の記録と順序を守れば、精密な構造でも安全に作業できます。高品質な工具ほど、正しいメンテナンスで驚くほど長持ちします。
まとめ:高枝切りバサミを自分で修理で修理して長く使うコツ

高枝切りバサミは正しく修理・メンテナンスすれば、10年以上使い続けることも可能です。ワイヤーの交換や刃の研ぎ、部品の清掃を定期的に行うことで、性能を維持し、安全に使用できます。自分で修理を行う際は、構造を理解し、無理のない範囲で作業することが大切です。
また、ホームセンターやメーカーのサポートを活用することで、初心者でも安心して修理に挑戦できます。コメリやコーナンでは部品の取り寄せが可能で、DCMではオンライン注文にも対応しています。さらに、100均アイテムを使った簡易メンテナンスを取り入れれば、コストをかけずに日常的なケアもできます。
信頼できるデータとして、国民生活センターの調査では、園芸工具の不具合の約70%が「サビ・摩耗・放置」によるものとされています(出典:国民生活センター「家庭用園芸用品の安全使用に関する報告」2023年)。このことからも、定期的なメンテナンスが長寿命化の鍵であることが分かります。
高枝切りバサミは、一度壊れても諦める必要はありません。構造を理解して丁寧に扱えば、修理で蘇らせることができます。安全な使い方とこまめなメンテナンスを心がけて、長く愛用していきましょう。
- ・まず構造を理解し、動かない・伸縮しない原因を正確に見極める
- ・多くの不具合はワイヤー・バネ交換と刃の研ぎ直しで回復する
- ・部品はコメリ・コーナン・DCMやメーカー公式の図面を活用して入手する
- ・ロック解除や作業時は安全手順を守り、定期メンテで長く快適に使う
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