aiイラストがあれば絵師はいらない?嫌われる理由と将来性を整理

aiイラストがあれば絵師はいらない?嫌われる理由と将来性を整理

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AIイラストがあっても、絵師が不要になると示した公的な資料はありません。文化庁は、人間による創作活動が発展し続けなければ生成AI技術の持続的な発展は不可能、という考えを示しています。

この記事では、ネット上の強い言葉ではなく、文化庁の資料と各サービスの公式ルールで確認できる事実から、反発の理由と今後を整理します。

悩見有造
悩見有造

AIイラストがあれば、絵師はもういらないのでしょうか?「やめてほしい」「絵師気取り」といった言葉を見て戸惑っています。

編集長
編集長

公的な資料に「絵師はいらない」という結論はありません。反発の中心は、無断での学習・画風の模倣・大量投稿・なりすましで、pixivは2023年5月にこれらを規約とガイドラインで禁止しました。

📌 この記事のポイント

● 「絵師はいらない」と示した公的資料はない。文化庁はクリエイターとAI事業者の「共創の関係」を掲げている

● 反発の理由は、無断学習・画風の模倣・大量投稿・なりすまし(pixivが2023年5月に禁止行為へ追加)

● pixivFANBOX・pixivリクエスト・SkebはAI生成物の投稿や納品を禁止している

● 生成自体が一律に違法ではない。既存作品との類似性と依拠性があれば著作権侵害になる

【aiイラスト】絵師がいらないと言われる理由とは?批判の正体

【aiイラスト】絵師がいらないと言われる理由とは?批判の正体

編集長
編集長

批判の中身を、個人の投稿ではなく公式の発表で確認します。特定の人を責める話ではなく、どの行為が問題とされたのかを見ていきます。

「AIイラストをやめてほしい」と言われるのはなぜ?

「やめてほしい」という声の背景として公式に確認できるのは、自分の作品が許諾なくAIの学習に使われ、似た絵が出回ることへの不安です。pixivは2023年5月31日の規約改定で、投稿作品をAI学習などの情報解析に使い、投稿者の利益を害する行為を禁止しました(投稿者の許諾がある場合を除く)。

同じ改定で、特定の第三者の作品に似た投稿を繰り返すことや、そうした投稿を助長するツール・モデルの配布や販売も禁止されています。文化庁の資料にも、AIと著作権法の関係が明確でないという懸念の声が上げられていると書かれています。

● 投稿作品を無断でAI学習に使い、投稿者の利益を害する行為

● 特定の人の作品に似た投稿を繰り返す行為

● 模倣を助長するツール・モデルの配布や販売

AI絵師は頭おかしい・気持ち悪いと感じられる理由

強い言葉が向けられる場面で公式に問題とされているのは、AIを使うこと自体ではなく、なりすましや画風の模倣といった特定の行為です。pixivはガイドラインに、特定の第三者の画風等を、いたずらに繰り返して模倣する投稿と、誤認のおそれがあるなりすましを禁止行為として加えました。

一方で、人を攻撃する言葉を使うことも同じガイドラインで禁じられています。他人の名誉や信用を毀損する行為、嫌悪や偏見に基づく中傷は禁止行為で、AIを使う人にも使わない人にも同じルールが適用されます。

AIイラストで絵師気取りと言われる背景

「絵師気取り」と言われる背景には、AIで生成した作品と人が描いた作品が区別されずに並ぶことがあります。pixivは、制作過程のほぼすべてをAIで生成した作品を投稿するとき、投稿時に「AI生成作品」へチェックを入れるよう求めています。

チェックがなくても、利用状況からAI生成作品と客観的に判断できる場合は、pixiv側で設定を追加することがあるとされています。AIで作ったことを示して投稿するのが、公式に求められている形です。

著作権の面でも扱いは分かれます。文化庁の資料では、人が何も指示せず、または簡単な指示だけでAIが生成したものは著作物に該当しないと考えられる、とされています。

嫌いと言われる理由|公式発表にある問題を整理

匿名掲示板の書き込みは出典を確かめられないため、ここでは運営会社と文化庁が公表した内容で整理します。pixivが2023年5月のお知らせで禁止行為に加えたのは、画風の模倣・大量投稿・中傷・なりすましです。

いずれも「AI技術等に関する」改定として、同じお知らせの中で追加されました。ルールで禁じられたのは技術そのものではなく、こうした使い方です。

問題とされた行為公式の対応出典
投稿作品の無断でのAI学習(投稿者の利益を害するもの)サービス共通利用規約で禁止pixiv(2023年5月31日)
特定の人の画風等を、いたずらに繰り返して模倣する投稿ガイドラインで禁止pixiv(2023年5月31日)
作品発表の範囲を超えた大量投稿ガイドラインで禁止pixiv(2023年5月31日)
なりすまし(誤認のおそれがあるものを含む)規約・ガイドラインで禁止pixiv(2023年5月31日)
AI生成であることの表示がない投稿「AI生成作品」の設定を求めるpixiv(2023年5月31日)

うざい・オワコンと言われる本音

「うざい」という反応につながる行為として公式に確認できるのは、作品発表の範囲を超えた大量投稿によるページの占有です。pixivはこれをガイドラインの禁止行為にしています。

「オワコン」と言えるかは別の話です。pixivは2022年10月の方針で、AIが関与した作品を完全に排除する考えはないと表明し、AI生成作品だけを除外・絞り込みできるフィルタリング機能を設けるとしました。

aiイラスト絵師とは何者なのか?従来の絵師との違い

「AI絵師」という言葉に公的な定義はありません。近い定義として、pixivは「制作過程のほぼすべてをAIで生成した作品」をAI生成作品としています。

手で描く絵師との違いは、作業の中身だけでなく、投稿できるサービスと著作権上の扱いにも表れます。

項目人が描いた作品AIで生成した作品
pixivへの投稿通常の投稿投稿時に「AI生成作品」の設定が必要
pixivFANBOX投稿できるAI生成コンテンツの公開は禁止
Skeb(イラスト等のジャンル)納品できる生成AIが一部または全部を生成したデータの納品は禁止
著作物かどうか創作的な表現であれば著作物簡単な指示だけで生成したものは著作物に当たらないと考えられる

【aiイラスト】絵師がいらない時代は来る?仕事・法律・将来

【aiイラスト】絵師がいらない時代は来る?仕事・法律・将来

編集長
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後半は、仕事・法律・将来の3点です。法律の部分は、文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」の概要資料をもとにしています。

絵師は失業するのか?現実的な影響

絵師の仕事がどれだけ減るかを示した公的な統計は、今回確認した資料にはありません。確認できるのは、依頼や支援のサービスが、AI生成物を受け付けないルールを設けているという事実です。

Skebは利用規約で、所定のジャンルにおいて生成AIが一部もしくは全部を生成したデータを納品する行為を禁止しています。pixivも、pixivリクエストとpixivFANBOXへのAI生成作品の投稿を禁止しました。

文化庁の資料は、生成AIの技術は人間の創作活動を基に成り立っていると述べています。人間による創作活動が発展し続けなければ、生成AI技術の持続的な発展は不可能だという考え方です。

AIイラストのデメリットは?見落とされがちな問題点

AIイラストの見落とされやすいデメリットは、自分の作品として権利を主張できない場合があることです。文化庁の資料では、人が何も指示を与えず、または簡単な指示を与えるにとどまり、ボタンを押すだけでAIが生成したものは著作物に該当しないと考えられるとされています。

プロンプトが長くても、アイデアを示すにとどまる指示は創作的寄与の判断に影響しません。試行回数が多いこと自体も、判断に影響しないとされています。

● 簡単な指示だけで生成した絵は、著作物に当たらないと考えられる

● 既存の作品と似ていて、依拠性も認められると著作権侵害になる

● pixivFANBOX・pixivリクエスト・Skebなど、投稿や納品ができない場がある

● pixivではAI生成作品の設定が必要で、閲覧者はAI生成作品を除外できる

生成AIでイラストを生成するのは違法ですか?

生成AIでイラストを生成するのは違法ですか?

生成AIでイラストを生成すること自体が、一律に違法とされているわけではありません。文化庁の資料によると、AIで生成した画像を公表・販売する場合は、通常の著作権侵害と同じ基準で判断されます。

基準は、既存の著作物との「類似性」(創作的表現が共通していること)と「依拠性」(既存の著作物をもとに創作したこと)の2つです。両方が認められ、権利制限規定の対象でもない場合に、著作権侵害となります。

場面文化庁の資料での考え方
個人的に生成して鑑賞する私的使用のための複製など、権利制限規定に当たる場合は許諾不要
生成した画像をSNSに投稿・販売する類似性と依拠性が認められると著作権侵害になる
画風(作風)が似ている作風がアイデアにとどまる場合、共通していても著作権侵害にはならない
特定のクリエイターの作品だけを追加学習させる創作的表現の出力を目的とする場合、著作権法第30条の4が適用されない場合がある
生成は適法にできた場合投稿などの利用まで直ちに適法になるわけではなく、場面ごとに判断が必要

この資料は文化審議会の小委員会が2024年3月15日に取りまとめたもので、法的な拘束力はありません。個別の事案は最終的に裁判所が判断するため、商用で使うときは専門家への相談も検討してください。

資料の本体と概要は、文化庁の「AIと著作権について」のページで公開されています(記事末尾の出典を参照)。

AIに取って代わられない仕事は?人に残る役割

人に残る役割として公式のルールから確認できるのは、生成AIが作ったデータを納品できないルールのある依頼の仕事です。Skebの所定のジャンルでは、生成AIが作ったデータは納品できません。

著作権の面でも、人の手による表現には意味があります。文化庁の資料では、人がAI生成物に創作的表現といえる加筆・修正を加えた部分には、通常、著作物性が認められるとされています。

依頼を受ける側の進め方は ▶ イラスト有償依頼のやり方まとめ!依頼のやり取りやDM、例文テンプレなど紹介 で紹介しています。

まとめ:【aiイラスト】絵師がいらない論争の結論と今後

「AIイラストがあれば絵師はいらない」と示した公的な資料はなく、文化庁はクリエイターとAI事業者の「共創の関係」が実現されていくことが望まれるとしています。

反発を招いてきたのは、無断学習・画風の模倣・大量投稿・なりすましといった行為で、各サービスは規約で対応を進めています。AIを使う人は投稿先のルールと著作権の基準を確認し、使わない人も中傷にあたる言葉を避けることが、公式ルールに沿った向き合い方です。

📝 この記事のまとめ

● 「絵師はいらない」という公的な結論はない。文化庁は共創の関係を掲げている

● 嫌われる理由は、無断学習・画風の模倣・大量投稿・なりすまし。pixivは2023年5月に禁止した

● 生成は一律に違法ではないが、類似性と依拠性があれば著作権侵害になる

● pixivFANBOX・pixivリクエスト・SkebはAI生成物の投稿や納品を禁止している