電気工事士の試験や現場作業で「どの工具を使ってはいけないのか」と迷う方は多いです。使用禁止の工具を誤って持ち込むと、試験では失格・減点、現場では重大事故につながりますので、事前にしっかり確認しておきましょう。

電気工事士の試験で持ち込んではいけない工具って、具体的に何があるんですか?

絶縁性能がJIS基準を満たさない工具、100均の工具、カッターナイフなどが代表例です。この記事で試験・現場それぞれのNG工具と正しい選び方を解説します。
📌 この記事のポイント
● 電気工事士が使用禁止の工具とその理由を具体的に理解できる
● 試験で使用可能な工具の基準(JIS・試験センター準拠)を確認できる
● 100均・ホームセンター工具の危険性と正しい選び方がわかる
電気工事士が使用禁止の工具の基本と試験での注意点


まずは試験・現場に共通する基本的なNG工具の考え方から押さえておきましょう。絶縁性能の有無がもっとも重要な判断基準です。
使ってはいけない工具は?

電気工事士が使用できない工具は、「絶縁性能が不十分なもの」「耐久性が規格未満のもの」の2種類に大別されます。絶縁カバーなしの金属製ドライバーやペンチは、漏電・短絡時に作業者が感電するリスクがあるため使用禁止です。また刃先が欠けた工具や圧着力が不足した圧着ペンチも、材料損傷や接続不良を引き起こすため現場・試験ともに不適切とされています。
日本工業規格(JIS)では電気工事用工具の絶縁性能基準として、1000Vまでの耐電圧性能が要件となっており、この基準を満たさない工具は試験・現場問わず使用禁止です。
電気工事士試験でカッターナイフは自粛すべき?

カッターナイフは試験での使用が「自粛推奨」扱いであり、使用禁止ではないものの、電気技術者試験センターも安全面から専用ストリッパーの使用を推奨しています。刃が露出するカッターナイフは、取り扱いミスで試験材料や自分の手を傷つけるリスクがあり、試験会場によっては持ち込み制限がかかる場合もあります。
代替工具として「ワイヤーストリッパー」や「VVFストリッパー」を使うことで、作業時間の短縮と安全性の両立が可能です。ホーザン製P-958などのVVFストリッパーは試験受験者に広く使われており、皮むき・切断・折り曲げをワンツールでこなせる点が評価されています。
工具セットに含めてはいけないもの

工具セットに含めてはいけないものの代表例は、絶縁マーク(JISマーク)のないドライバー・ペンチ、100均購入の刃物類、耐電圧が規格未満の圧着ペンチです。これらは一見普通の工具に見えても、高電圧環境では感電や端子破損の直接原因になります。
セット購入時に注意すべき点を以下にまとめます。購入前に必ず確認してください。
● 絶縁マーク・JISマークの有無を個別に確認する
● 圧着ペンチは対応電線サイズ(1.6mm・2.0mm等)が明記されているか確認
● 皮むき器・ニッパーは刃先の損傷・摩耗がないか事前にチェック
● セット内に100均由来の補助工具が混入していないか確認する
禁止工具を正しく把握し、安全性の高い工具だけを選ぶことが、電気工事士としての基本です。試験での減点・失格防止と、現場での作業安全は工具選びから始まります。
試験で使用可能な工具の基準

電気工事士第二種技能試験で使用できる工具は、電気技術者試験センターが定める「試験センター指定基準」に準拠したもの、またはJIS規格取得品が対象です。規格外の工具を使用すると、技術面での減点だけでなく、状況次第では失格扱いになるケースもあります。
試験前に以下のチェックリストで工具を確認することを強くおすすめします。
● 絶縁性能が確認できる工具か(JISマーク・耐電圧表示の有無)
● 対象電線サイズに適合しているか(1.6mm・2.0mm・2.6mm等)
● 刃先・圧着部分に摩耗・損傷がないか
● 規格表示(JIS・試験センター認定)が工具本体に明記されているか
これらを試験前日までに確認しておくことで、当日の不測のトラブルを防ぎ、技術作業だけに集中できます。
圧着工具の選び方と使用制限

圧着工具は「対象端子の種類・サイズに合った工具を使用する」ことが絶対条件であり、サイズが合わない圧着ペンチを使うと接触不良・発熱・最悪の場合火災につながります。試験では主にリングスリーブ用圧着ペンチ(JIS C 9711準拠品)が使用されますが、使用するリングスリーブのサイズ(小・中・大)に対応したダイスが付いているかを必ず確認してください。
圧着後の確認ポイントとして、端子がぐらつかないか・圧着部分に割れや変形がないかを目視チェックする習慣をつけましょう。手動式圧着ペンチは、適切な力加減と電線サイズの一致が成功の鍵です。また、圧着工具の摩耗は接触不良リスクを高めるため、定期的な点検も必要です。
工具メーカーによる基準の違い

国内主要メーカー(ホーザン・パナソニック・KEIBA等)はいずれもJIS規格準拠品を展開していますが、絶縁材の厚みや圧着力の設定に微妙な差があります。特に安価な海外製や無名ブランドの工具は、表示上JIS準拠とされていても実際の耐電圧・圧着精度が基準未達のケースがあるため注意が必要です。
試験向けの工具はホーザン製の工具セット(DK-28シリーズ等)が試験センター公認で広く使用されており、安心感・精度ともに評価が高いです。ただしメーカーが異なる工具を混在使用すると、圧着の力加減がばらつき、作業精度が低下します。できる限り同一メーカーで揃えることをおすすめします。
電気工事士が使用禁止の工具と正しい工具選びのポイント


第二種電気工事士の具体的なNG工具と、正しいセット構成の選び方を詳しく見ていきましょう。
電気工事士2種で使えない工具とは?

電気工事士2種で使用できない工具の代表例は、「絶縁なし金属製ドライバー・ペンチ」「破損・摩耗した圧着工具」「JIS未認定の皮むき器・刃物類」です。厚生労働省や日本電設資材工業協会の安全指針でも、作業者保護の観点から絶縁工具の使用が義務付けられています。
現場での具体的な禁止例として以下が挙げられます。これらを工具セットに含めないよう徹底してください。
● 絶縁カバーがない金属製ドライバー・ペンチ
● 摩耗・破損がある圧着ペンチ(ダイス部分の変形を含む)
● JIS規格表示のない刃物・皮むき器
● 電気試験安全基準を満たさない安価な工具全般
これらを使用すると、試験では減点・失格、現場では感電事故や材料損傷のリスクが高まります。購入時だけでなく、使用前の目視点検を必ず行いましょう。
電気工事士2種で使用する工具一覧とおすすめ構成

電気工事士2種の試験で必要な工具セットの基本構成は、「絶縁ドライバー(+・-)・絶縁ペンチ・圧着ペンチ(リングスリーブ用)・VVFストリッパー・電線カッター」の5種です。これに加えて電圧確認用テスターを用意すると、現場作業にも対応できます。
おすすめ構成の内訳を以下に示します。各工具のJIS準拠・対応サイズを購入前に確認してください。
● 絶縁ドライバー:プラス・マイナス各種サイズ(JIS C 1003準拠)
● 絶縁ペンチ・ニッパー:ホーザンP-43等のJIS認定品
● 圧着ペンチ:リングスリーブ小・中対応(JIS C 9711準拠)
● VVFストリッパー:ホーザンP-958などの試験センター対応品
● テスター:電圧・導通確認用(現場作業に必要)
工具は使用前に摩耗・破損がないか点検し、安全性を確保することが重要です。とくに圧着ペンチは試験の合否を左右する工具ですので、信頼性の高いメーカー品を選びましょう。
ホームセンターで買う電気工事士 工具セットの注意点

ホームセンターの工具セットには、電気工事士試験に必要なJIS認定品が混在している一方、規格を満たさない廉価品も含まれるケースがあります。コメリ・コーナン・カインズなどの大手ホームセンターでも、セット品の個別工具の絶縁性能・耐電圧を個別に確認する必要があります。
注意すべきポイントとして、以下を確認してください。
● 絶縁マーク・JIS認定の有無を工具本体で確認する
● 圧着工具の対応サイズと圧着力の仕様を確認する
● 破損・摩耗がある工具は購入前に外装から確認して除外する
● セット内に試験センター非推奨の工具が含まれていないか確認する
ホームセンターで購入する場合でも、圧着ペンチや皮むき器は単品でホーザン等の信頼メーカー品に差し替えることを多くのプロが推奨しています。価格だけで選ぶと試験や現場でトラブルが起きやすいため、安全性の確認を最優先にしてください。
電気工事 2種、工具を安く揃える際の落とし穴

工具を安く揃えようとすると、「絶縁材が薄い・圧着力不足・耐久性不足」という3つのリスクに直面します。特に絶縁ドライバーやペンチは、絶縁カバーの厚みが公的基準(1mm以上)を下回る製品が存在し、漏電時に感電のリスクが生じます。また圧着工具の力不足は端子接続不良を招き、試験の減点だけでなく現場では発火の原因にもなります。
安く確実に揃えるなら、Amazonや専門通販で「ホーザンの第二種電気工事士試験セット」を購入するのが費用対効果が高いです。1万〜1万5千円前後で試験に必要な工具がほぼ揃い、品質も信頼できます。無名ブランドの格安セットを購入して後から差し替えるよりも、最初から適切な製品を選ぶほうがトータルコストを抑えられます。
100均工具は使える?電気工事士の安全基準

100均工具は電気工事士の試験・現場での使用には不適切であり、厚生労働省の指針でも規格適合工具の使用が義務付けられています。ダイソー・セリアなどで販売されているドライバーやペンチは家庭用途を前提としており、JIS規格の耐電圧性能を持ちません。絶縁材の厚みが不足しているため、試験電圧をかけた場合に絶縁破壊が起きるリスクがあります。
100均工具の主な制限点として以下が挙げられます。補助的用途以外には使用しないでください。
● 絶縁材が薄く、1000V耐電圧基準を満たさない
● 圧着精度が低く、端子接続不良・電線損傷のリスクがある
● 耐久性不足で長時間作業中に破損・摩耗が早期に発生する
● 刃物類の摩耗が早く、ケーブル被覆の切断精度が低い
100均工具の使用は補助的作業(材料の仮置き・養生等)に限定し、試験・現場の主要作業には必ずJIS規格適合品を使用してください。
便利工具とプロが避ける理由

自動皮むき器や電動圧着工具などの「便利工具」は、プロの電気工事士でも使用に慎重なケースが多く、理由は「規格外電線への対応不可」と「誤操作時の接続不良リスク」です。電動圧着工具は作業スピードが速い反面、適切な電線サイズ以外に使用すると圧着不良や端子破損が起きやすく、現場での修正作業に余計なコストがかかります。
便利工具の使用リスクをまとめると以下の通りです。使用する際は必ず規格確認を行いましょう。
● 対応サイズ外の電線・端子には正確に作動しない
● 力加減の誤りで圧着不良・端子変形が発生しやすい
● 電動工具は作業スピードが速く手元の安定性が低下する
● 機械故障・摩耗による安全性低下リスクがある
プロが便利工具を選ぶ際は、絶縁性能・耐久性・適合規格を確認した上で使用します。試験では手動工具を軸にした確実な操作を優先し、便利工具は現場での補助的使用にとどめるのが安全です。
まとめ:電気工事士が使用禁止の工具を正しく理解して安全に作業を行うために

電気工事士として安全に作業するためには、使用禁止の工具を正しく理解した上で、JIS規格・試験センター認定品を中心に工具を揃えることが不可欠です。100均工具・安価な廉価品・便利工具の無計画な使用は、感電・接続不良・試験失格という3つのリスクを同時に引き起こします。安全対策のポイントを以下に整理します。
● 安価なセット品もJIS準拠を個別確認し、非適合品は除外する
● 100均工具は補助的用途のみ、主要作業には専用工具を使う
● 便利工具は規格適合品を選び、作業内容に応じて使い分ける
● 使用前の点検を習慣化し、摩耗・破損の工具は即交換する
これらを徹底することで、試験や現場でのトラブルを未然に防ぎ、電気工事士としての信頼性を着実に高めることができます。正しい工具選びと管理が、安全な作業の第一歩です。
📝 この記事のまとめ
● 使用禁止の工具はJIS基準未達の絶縁工具・摩耗品・100均工具が代表例
● 試験で使用可能な工具は電気技術者試験センター基準・JIS認定品に限られる
● ホームセンター購入でも圧着ペンチ・VVFストリッパーは信頼メーカー品を選ぶべき
● 工具は使用前に必ず点検し、摩耗・破損があれば即交換することが安全の基本
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